札幌でフラを踊る人のブログ

日々のレッスンとハワイとフラに関する覚え書き

青は藍より出でて藍よりも青し

 昨日のステージについて少し書いておこうと思う。

ダンススタジオ舞人(マインド)の演目は、他団体を凌駕する素晴らしい作品でした。
初演は22年前、とのこと。
随所に【笑い】が散りばめられた作品で、終わった途端にものすごい拍手と歓声が客席から沸き起こりました。
もちろん、楽しいだけではなくダンサーのレベルも高く、どのダンサーも…たとえステージの最後列でも…熱とパワーに溢れた素晴らしいダンスを見せてくれました。

わたしはマインドの一期生(当時は宏瀬ダンスカンパニー)で、約6年ほど在籍していました。
当時から主宰の宏瀬先生は「踊りたい子は全員舞台に上げる」というスタンスで、わたしのような超落ちこぼれすらもステージに上げていただき、この思い出は自分のダンス人生の中で今も色褪せることなく煌めいています。

スタジオの運営は若手のインストラクターのみなさんが担っているのですが、宏瀬先生の【遺伝子】が各インストラクターやダンサーたちに見事に受け継がれているのを見て、涙が出そうになりました。

フラは、クムの教えを守り、そのフラを次世代へ繋げていく踊りです。
ひとたびフラを踊れば、そのフラが誰から授かったフラなのかがわかる、というほどに。
が、しかし。
藍より出でても緑(命名:福田 良奈 (@lalalanarana) | Twitter センセ)という残念な実態もある(例えそれがハワイの高名なクムであっても)のが現状です。
師のフラを変えることなく受け継ぎ、次世代に繋げていくことの難しさを感じます。

他の舞踊であっても【師の踊りを受け継ぐ】ことは難しく、例えば形は似ているようであっても師のフィロソフィーまでを受け継げるかは、非常に困難であると感じます。
昨日、フィナーレのご挨拶で宏瀬先生が「芸術よりも大衆のためのダンスを」という趣旨のスピーチをされたのですが、正に弟子のみなさんがそれを実現しているところに心から感動しました。

さて。
わたしの先生は「あんたのフラは誰のフラなのさ!」という言葉をわたしに掛けたことがあります。
わたしのフラが自分のものとは違う、と感じたのかもしれません。
確かに常に悩みながらフラを踊っていた時期があったことは否めませんが、当時のわたしにとってはその言葉を【否定的なもの】として受け止めていました。
先生から教室を受け継いで三年、フラシスターがふと「後ろから見ていて、先生のステップとそっくりだなぁと思ったよ」と笑いながら言ったのを「やっぱ先生のフラじゃんさ!」とホッとしたような笑いたいような気持ちで聞いていました。
せめて正しく先生のフラを伝えられるように、今日からまた精進していきます。